2025.03.21
M&Aコラム
合同会社はM&Aできる?売却のためのM&Aスキームについて
有限会社が廃止されて以降、合同会社の設立件数が増えています。経営の自由度が高く、意思決定が迅速に行えるなどのメリットがある合同会社ですが、M&Aによる売却は可能なのでしょうか?
■合同会社のM&Aは可能!株式会社のM&Aとの違いは?
合同会社と株式会社は、どちらも法人形態の一種です。しかし、その特徴やM&Aにおいて違いがあります。ここでは、株式会社のM&Aとの違いや合同会社がM&Aを行う理由について見ていきましょう。
- 株式会社のM&Aとの違いについて
日本では、合同会社も株式会社と同様に、M&Aを行うことができます。法律上、合同会社特有の特別な制限はなく、事業譲渡や経営権の移転といった、一般的なM&Aの手続きを適用することが可能です。しかしながら、合同会社は株式会社とは会社の構造が違います。株式会社では所有者と経営者が異なりますが、合同会社においては出資者が所有権と経営権を併せ持つことになります。このように、会社の構造が異なっているため、株式会社と合同会社では、M&Aを実施する際の意思決定や手続きの点で異なります。 - 合同会社がM&Aを行う理由は?
合同会社は、経営の効率化を図って業績不振を改善するため、資金を調達して新たな事業を開始するためにM&Aを行う場合があります。他にも、順調に成長させてきた会社の後継者を第三者に譲渡するため、さらに事業譲渡によって従業員の雇用を守るためにM&Aが行われています。 - なぜ合同会社のM&Aは難しいのか?
所有権と経営権が分離していない合同会社の場合、M&Aを行うには全員一致の原則があるため、M&Aが難航する可能性があります。事業譲渡の場合でも、社員過半数の賛成が求められます。1人や2人で設立した合同会社であれば問題はありませんが、規模が大きい会社であればM&Aの実施は困難になります。一般的に、合同会社と聞くと小規模な会社をイメージするかもしれませんが、Amazonの日本法人であるアマゾンジャパンやAppleの日本法人であるアップルジャパンは、どちらも合同会社です。合同会社は株式会社を設立するよりもコストを抑えられ、会計監査基準などにおいては日本ではなく、母国のルールに合わせて行うことができます。外資企業にとってはメリットが大きい反面、M&Aは難しくなります。
■合同会社をを売却する際のM&Aの主な手法は?
小規模な合同会社であれば、持分譲渡によって売却することができます。しかし、規模が大きい会社の場合には、下記の手法によって売却できるでしょう。
- 組織変更して株式譲渡
合同会社のM&Aをスムーズに進めるために、株式会社への組織変更が有効な手段として活用されています。組織変更の手続きをする際には、株式会社への移行計画を作成し、全社員の同意を得なければなりません。その後、官報公告と債権者への通知を行い、株式会社としての登記を行います。これらの手続きが全て完了した後、株式を譲渡することでM&Aを完了可能です。 - 事業譲渡
合同会社の事業譲渡は、会社全体の売却ではなく、特定の事業を売却する手法です。 例えば、製造業であれば特定の商品ライン、サービス業であれば特定のサービスなどを売却することができます。この方法は、会社全体の売却を伴う持分譲渡と比較して、社員の同意を得やすいという点が大きな特徴です。持分譲渡は、会社全体の所有権が移転するため、全社員の同意が必要となります。一方、事業譲渡は、会社の一部を売却するため、過半数の社員の同意で実行できます。そのため、事業譲渡は、社員間の意見が一致しにくい場合や、迅速な売却を希望する場合などに有効な手段となります。 - 吸収合併
吸収合併は、合同会社を売却するもう一つの有効な手段です。吸収合併には、法的な手続きが比較的簡単であること、事業の統合がスムーズであることなどのメリットがあります。合同会社と株式会社の間でも吸収合併は可能ですが、売り手側の法人格は消滅することになります。
■まとめ
M&Aが難しい場合があるとは言え、買収側が特に注目する技術や市場を有する合同会社、事業が成長し、明確な収益を上げている合同会社は買収対象となりやすい傾向にあります。M&Aによる合同会社の売却を検討しているのであれば、専門家を頼ることができるでしょう。
最後に
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