2024.11.20
M&Aコラム
飲食店を売却したい!売却価格の相場と売却方法は?
飲食店を売却したい!売却価格の相場と売却方法は?
新規参入障壁が低い外食業界。特に飲食店経営はライバルが多く、自分の店を持ったけれども予想以上に儲からず、「売却したい…」と考える経営者の方も多いようです。そこで今回は、飲食店の売却価格の相場や売却方法についてご紹介します。
■飲食店の売却価格の相場は?
飲食店の売却価格の相場はどのように決まるのでしょうか?
・飲食店の廃業率は?
飲食店とひと口に言っても、カフェやレストラン、居酒屋やバーなど、さまざまな業態があります。しかしながら、それら飲食店の廃業率は高く、開業してから3年以内で70%、5年になると80%、さらに10年では90%と言われており、飲食店経営は難しいことが明らかに。料理レシピサービスを提供している「クックパッド(cookpad)」の家庭における料理頻度に関する調査報告によると、世界158の国と地域において、日本の料理頻度は第65位にランクインしていました。意外にも外食が盛んな国である日本ですが、飲食店が生き残ることはなかなか難しいようです。
参考サイト: https://forbesjapan.com/articles/detail/47770
・売却価格の相場はどうやって決まる?
飲食店を売りたいと思った時に、一番気にかかるのは売却価格という方も多いでしょう。飲食店の売却価格は、店の価値を表したものです。店の価値は、主に飲食店がある場所(立地)、広さ(規模)、状態(清潔さ)などに左右されます。他にも、収益性や評判も飲食店の売却価格に影響を与える場合があります。売却価格にばかり気を取られてしまうかもしれませんが、飲食店を売却する時には、原状回復工事のほか、税金や仲介手数料などの出費も考えなければなりません。飲食店の売却価格の相場と店をたたむ際に生じる費用は、売却方法によって異なります。そのため、メリットとデメリットを見極め、慎重に売却方法を選択するようにしましょう。
■飲食店の売却方法について
主な飲食店の売却方法は、M&Aと居抜き売却になります。M&Aは飲食店の財務状況が売却価格に影響し、居抜き売却では飲食店の店舗条件が売却価格に影響するのが一般的です。
・M&Aによる飲食店の売却
M&Aで飲食店を売却するのであれば、事業譲渡と株式譲渡の手法により売却可能です。会社を丸ごと売却する、もしくは一部の事業として売却する際にM&Aが行われます。
〇株式譲渡による飲食店の売却
株式譲渡では、自社株式を全て、もしくは一定数以上譲渡することにより、経営権を買い手に移行させることができます。経営権や営業権だけではなく、賃貸契約や雇用契約など、全ての資産を譲渡することになるので売却価格が高くなります。手続きにおいても比較的容易な株式譲渡は、すぐに飲食店を手放したいという時や売却金額を新規事業への投資に充てたい時などに採択される場合も。ただし、多角経営を行っている会社が飲食店の事業のみを売却したい時などには、株式譲渡を選ぶことはできません。
〇事業譲渡による飲食店の売却
事業譲渡は、会社の事業の全て、もしくは一部を売却する手法です。この手法は、複数の事業を行っている会社が、飲食店の事業のみを売却したい時などに行われます。事業譲渡の場合、飲食店の事業を売却することになりますが、経営権は手元に残ることになります。株式譲渡においては負債も含めて買い手に譲渡することになりますが、事業譲渡では負債を外して譲渡できるので、買い手が見つかりやすいと言えるでしょう。
・居抜き売却とは?
造作譲渡とも呼ばれる居抜き売却。居抜き売却では、飲食店の内装から厨房や空調の設備、什器に至るまで全てをそのまま売却します。居抜き売却の場合、店舗を借りた当時の状態へ戻す原状回復工事を行う必要がありません。そのため、飲食店をたたむ際に生じる費用を抑えることが可能です。しかしながら、賃貸借契約書に「造作譲渡禁止」と記載があり、オーナーな店舗物件の貸主の許可がない場合、居抜き売却を行うことはできません。さらに、厨房機器や設備などをリースしている場合には、一括清算をするか、買い手側にリース契約を引き継いでもらう必要があるでしょう。
■まとめ
飲食店の売却価格の相場は、売却方法よって異なります。飲食店の売却には、内装や設備など、営業していたままの状態で売却できる居抜き売却のほか、M&Aでは株式譲渡と事業譲渡が手法として用いられるののが一般的です。それぞれの売却方法の特徴をよく知ることで、最適な売却方法を選択することができるでしょう。