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2024.11.08

M&Aコラム

日本にもM&Aブームがあった?日本におけるM&Aの歴史

「歴史から学べることは多い」といわれますが、それはM&Aにおいても同じこと。日本のM&Aの歴史を知れば、M&Aについての理解も深まるのではないでしょうか。そこで今回は、日本で起こったM&Aブームについてご紹介します。

 

■国際競争力をつけるためのM&A活用

近代国家を目指した明治政府は、富国強兵を政策に掲げました。1889年には、国際競争力をつけるためにも、企業合同(M&A)を積極的に行うべきだとの見方が広がっていきます。こうして、M&Aの重要性が認識されはじめ、日本において最初のM&Aブームが起こることになりました。

 

・主力産業になった紡績業

1885年には綿糸を輸入していた日本ですが、原料の綿花を安く輸入することに成功し、やがて綿糸を輸出するようになります。1886年以降は紡績などの軽工業が発展し、1898年には輸出量が輸入量を上回るようになり、紡績業は日本の主力産業になりました。

 

・M&Aブームが起こった背景

ところが、日本の紡績業は、中国やインドに押されて国際競争力を失うことになります。さらに、原料である綿花の価格が上昇したこと、生産コストが上昇したことにより、紡績業の勢いはますます衰えることに。M&Aは、衰退の一途を辿る紡績業を盛り返し、国際競争力を取り戻すための手段となりました。

 

■日本の第一次・第二次M&Aブームについて

近年、経済メディアなどを通して耳にする機会が増えたM&A。M&Aの本場といえばアメリカですが、M&Aブームは日本でも起こっています。

 

・紡績業界の第一次M&Aブーム

日本で、第一次M&Aブームが起こったのは1900年代のことです。明治時代の日本における紡績業は、外貨を稼いで富国強兵を成し遂げるための主産業でした。そのため、全国各地にたくさんの紡績工場が設立されます。しかし、経営効率の点からすると、紡績の会社が乱立している状態は好ましくありませんでした。 紡績業界の経営効率を上げて成長を促すためにも、業界再編M&Aを行う必要性があったのです。

1887年に三井財閥の出資を受けて創立した東京綿商社は、1889年に紡績工場を設立。1893年には社名を鐘淵紡績株式会社に改称しますが、これがカネボウ株式会社(2008年にトリニティ・インベストメントに 吸収合併)の前身となります。

1894年には、三井財閥の改革で活躍した武藤山治が鐘淵紡績兵庫分工場支配人に就任し、業績悪化を改善するためにさまざまな策を講じます。M&Aはその一環となり、1897年以降、鐘淵紡績株式会社は、九州紡績、中津紡績、博多紡績を合併。九州地方の紡績工場の買収・合併を繰り替えし、紡績業界の業界再編を進めます。鐘淵紡績株式会社は 、1939年までに少なくとも20件ものM&Aを実施し、一時は日本最大の企業となりました。

また、鐘淵紡績株式会社以外にも、東洋紡績や富士瓦斯紡績などが積極的にM&Aを行います。こうして、明治時代には数百社ほど存在した紡績会社は、M&Aによって6つの大企業に集約されました。紡績業界で起こった日本の第一次M&Aブームは大成功を収め、1936年には当時紡績大国として知られていたイギリスを抜き、日本が世界一の綿布輸出国になります。

 

・第二次M&Aブームは「電力戦」

紡績業界に次いで、今度は電力業界にてM&Aが盛んに行われるようになります。現在、大手電力会社と言いえば、東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力の10社を指します。しかし、かつては雨後のタケノコのように、電力会社が乱立していたようです。

1886年に、日本初の電力会社である東京電燈(後の東京電力)が設立されたのを皮切りに、電力会社が設立されました。電力会社が増えた背景には、電灯の普及や工場の電化による電力需要の拡大が理由として挙げられます。さらに、当時は自由競争の時代だったため、昭和初期には850社もの電力会社が国内に存在しました。

価格競争が激化するにつれ、電力会社の統合が始まります。大阪に本社を置く日本電力は、北陸送電や越中電力、立山電気などを買収。このように激しいM&A合戦の結果、最終的には日本電力、東邦電力、東京電燈、大同電力、宇治川電気の5つの会社に集約されることになりました。

ところが、5つの会社の間の争いは、止まることを知りません。なかなか終わらない「電力戦」に終止符を打ったのは、行政の介入でした。1932年、金融機関の要請を受けた逓信省(ていしんしょう)は、三井、三菱、住友、興銀の各行と共に、電力連盟の設立を斡旋し、5つの電力会社の間で停戦協定が結ばれます。

 

■まとめ

日本のM&Aブームは、明治時代に始まりました。紡績業界と電力業界で起こったM&Aは、どちらも業界再編M&Aだったようです。成長戦略型のM&Aや事業承継M&Aなど、ひと口にM&Aと言いってもその目的はさまざま。どのようなM&Aを行うにしろ、成功に導くためには、自社に合った交渉先を探すことやデューデリジェンス、成約後の統合プロセスであるPMIを適切に実施することが重要です。

最後に

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