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2024.09.15

M&Aコラム

早期判断がM&A成功のカギ！利益を得るためにできること

M&Aを成功させるためには、早期判断が求められます。しかし、M&Aによる会社売却は重大な決定であるため、早急に決定するのは難しいものです。ここでは、なぜ早期判断をする必要があるのか、M&Aで利益を得るためになにができるのかについてご紹介します。

■早期判断が求められる理由は？

「うちはM&Aとは無縁だ」と考える経営者も少なくないようですが、近年では大企業だけではなく、中小企業のM&Aも増加傾向にあります。事業承継の問題などでM&Aを検討しているのであれば、早めに動き出すことが肝心です。

・M&A完了までに時間が掛かる

良い買い手を見つけて交渉し、実際に会社を売却するまでには時間が掛かります。とんとん拍子に進んだとしても半年～1年、思うような買い手が現れないと数年かかる場合もあると言います。また、話が進んだとしても取り引きが成功せず、M&Aが失敗に終わる可能性も。そうなると、また買い手を見つけなければなりません。M&Aでふさわしい買い手が見つからなければ廃業も考えなければならず、早期判断が求められます。

・決断が早いほど選択肢は広がる

経済産業省中小企業庁は、多くの中小企業が抱える事業承継問題の解決策としてM&Aを提唱しています。中小企業庁が公表した「中小 M&Aガイドライン（第 2 版）」の中でも、「遅くなるほど選択肢が狭まる傾向にあるため、早めに判断し行動することが望ましい」と推奨されていました。言い換えるなら、早期判断することで広い選択肢の中から、有利なM&Aを行うことが可能です。

・倒産寸前の買い手探しは難しい

慢性的に赤字の事業を黒字にするのは難しいものです。黒字状態の会社に比べると、赤字会社を積極的に買収する企業の数はそれほど多い訳ではありません。倒産寸前の会社であれば、なおさらです。M&Aで会社売却を決定してから専門家に相談するのではなく、まずは専門家に相談してからM&Aを決定するのも一つの手だと言えるでしょう。

■M&Aで会社を売却して利益を得るために

事業承継問題の解決に有効なM&Aですが、少しでも多くの利益を得たいと思うのはごく当然のことでしょう。ここでは、M&Aで利益を得るためにできることをご紹介します。

・M&Aの手法で利益は異なる

M&Aの手法は一つではないため、自社に合った手法を選ぶ必要があります。 M&Aで会社を売却する場合、自社株を持っている経営者であれば現金を得られるのが大きなメリットです。興味深いことに、売却価格や売却利益は手法によって異なります。例えば、株式譲渡の場合には年倍法をはじめ、マーケットアプローチ法やインカムアプローチ法などが用いられます。年倍法を採用した場合、「純資産（時価）＋営業利益3年～5年分」で算出されます。一方、事業譲渡で年倍法を採用した場合には、「譲渡する事業資産の時価＋事業利益3年～5年分」です。また、株式譲渡は包括的なM&Aの手法であるため、負債や借入金もすべて買い手が引き継ぐことになります。M&Aを実施するのであれば、最適な手法を選択することが重要です。

・企業価値を高めておく

企業価値は、将来どれほどの利益を出すかという予測から算出されるものです。企業価値が高い企業は、買い手から見て魅力的な企業であり、それは売却価格にも反映されます。「どうせ売却するんだから改善はすべて買い手に任せる」のではなく、経営管理体制をしっかりと構築しておくことが大切です。そのほか、営業体制の強化や借入返済、他社にはない自社の強みや価値の見極めも積極的に行わなければなりません。M&Aで利益を得たいのであれば、企業価値を高めておく必要があるでしょう。