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2024.08.22

M&Aコラム

M&A戦略に欠かせない！ロングリストとショートリストの違いは？

M&Aの初期段階で必要になるロングリスト。M&Aを成功させるためには、ロングリストの作成が不可欠です。ここでは、M&Aのロングリストとは何か、ショートリストとの違いやロングリスト作成時に注意したい点などについてご紹介します。

■ロングリストとショートリストの違い

M&Aを実施する上で、ロングリストは大切な役割を果たします。ここでは、M&Aにおけるロングリストとショートリストの違いについて見ていきましょう。

・候補先選別に必要なロングリスト

ロングリストとは、M&Aの対象となる候補先企業を選ぶときに必要になるリストです。売り手である譲渡企業が作成するのであれば譲受候補先の企業を、買い手である譲受企業が作成するのであれば譲渡候補先の企業をリストアップします。一般的に、ロングリストにリストアップされる企業の数は30～100社ほどですが、場合によっては20社であったり、200社であったりする場合も。リストの作成は無作為ではなく、条件を絞り込んで行われます。例えば、譲渡先を検討する際には会社名や所在地のほか、資本金や売上、従業員数などが記載されます。

・精度を高めるためのショートリスト

ショートリストとは、M&Aの対象となる候補先をリストアップしたロングリストの中から、シナジー効果が得られそうな候補先を5～10社ほどに絞り込んだリストのことです。M&Aを成功させるためには、交渉相手探しをしっかり行わなければなりません。ショートリストは、ターゲット・スクリーニングには欠かせないリストです。譲渡企業の場合には、業種や業績、経営理念などを念頭に置くことができます。一方、譲受企業の場合には、事業の発展に繋がるシナジー効果のほか、成長戦略や事業承継などを念頭にM&Aの候補先企業を探すことができるでしょう。

■ロングリスト作成時の注意点

ロングリストは、M&Aの成否を左右するほど大切なもの。自社の価値を算出し、企業概要書の作成が完了してM&Aを行う準備が整えば、ロングリストを作成します。ロングリストを作成するときには、下記の点に注意する必要があります。

・自社分析を行う

M&A戦略を立てる上で、自社分析は必ず行わなければならないプロセスです。自社分析を行うことで、M&Aの方向性を定めて成功に導くことができます。自社分析では、財務状況や将来性を把握し、自社の実態を可視化することに努めます。その際、自社の内部・外部環境を分析できる SWOT分析やPPM分析など、ビジネスフレームワークが活用されます。自社の現状を客観的に分析することで、M&Aの目的が明確になり、自社ビジョンとの親和性や現在の事業とのシナジー効果が得られそうな候補先を見つけやすくなります。

・条件を明確にする

ロングリスト作成時に、候補先選定の基準となる希望や条件が明確になっていないと、無駄に長いリストになる可能性があります。最適な対象企業を選ぶのに可能性のある企業を抜け漏れなくリストアップする必要はあるものの、選定に時間が掛かるため、リストアップされる企業数が多ければ多いほど良いという訳ではありません。また、条件をしっかり定めておくことで、選定時に主観が入るのを防ぐことができ、ふさわしい候補を客観的に見つけることが可能です。

・シナジー効果を意識する

M&A戦略に沿って作成されるロングリストですが、ロングリスト作成時にはシナジー効果を意識しなければなりません。期待できるシナジー効果を考えながら選別するのはショートリストの段階です。しかしながら、ロングリスト作成時から対象企業とM&Aを行った際にどのようなシナジー効果を期待できるのかを考えることで、最適な相手を見つけることができます。具体的には、M&Aを実施することで、販売・生産・投資・経営シナジーを期待でき、事業や売上げを拡大できるのかどうかを考えなければならないでしょう。

■まとめ

M&Aの候補先を見つけるために欠かせないロングリストは、条件に適った譲渡先・譲受先候補を可能な限りリストアップする必要があります。一方、ショートリストはロングリストをもとに、さらに候補先を絞り込んだリストのことです。これらは業界誌やリサーチ会社のデータベース、インターネット上の情報などをもとに作成されます。これらのリストは、客観的な視点から作成しなければならず、自社外の専門家の意見を参考に作成することも検討できるでしょう。