2024.04.01
M&Aコラム
M&Aの組織再編、成功への鍵はなにか?
組織の再編は、企業が新たな成長ステージに進むための重要な手段です。
特に、企業がM&Aを通じて新たな事業展開を行う際には、再編が不可欠となります。本記事では、M&A組織再編の基本的な考え方と、その成功に向けたポイントについて解説します。
1. M&A組織再編とは?
M&A組織再編とは、企業が他の企業との合併や買収を通じて、自身の組織構造や事業体制を再編成することを指します。
組織再編は、企業の経営課題を解決するために有効です。組織変更とよく似ていますが、組織変更はひとつの法人によって行われますが、組織再編は合併して2社が1社になったり、分割して1社が2社になったりなど、複数の法人が関与します。
1-1. 組織再編の目的
組織再編の目的は主に以下の3つです。
- 事業の拡大:自社の事業を拡大するために、他社と合併したり、他社の一部事業を買収することがあります。
- 効率化:複数の事業部門や関連会社を統合することで、経営の効率化を図ることがあります。
- 新規事業の展開:新たな事業領域に進出するために、他社の事業や技術を取得することがあります。
1-2. 組織再編の手法
組織再編には、合併、会社分割、株式交換、株式移転などの手法があります。
主に、既存の会社が既存の会社から引き継ぐもの、新設の会社が既存の会社から引き継ぐものに分けることができますが、組織再編の手法は、企業の目的や状況に応じて選択されます。
2. M&A組織再編の手法とその特性
M&A組織再編の手法は、その目的や形態によって大きく4つに分けられます。
2-1. 合併
合併は、複数の企業が一つになる手法です。この方法では、企業間の深い結びつきが生まれ、経営資源が統合されます。
また、合併には吸収合併と新設合併の2種類があります。
・吸収合併:一方の企業が他方の企業を吸収し、その企業の資産や負債、権利義務を引き継ぎます。
・新設合併:すべての企業が新たに設立した会社に資産等を引き継ぎます。
2-2. 会社分割
会社分割は、会社の一部または全部の事業を新たな会社に移す手法です。この方法では、事業の特定部分だけを他社に移すことで、企業のリスクを分散させることが可能です。
・吸収分割:自社内の一部事業を分割して、既存の他会社に分割します。
・新設分割:自社内の一部事業を分割して、新しく設立した会社に事業を引き継ぎます。
2-3. 株式交換
株式交換は、特定の企業を完全子会社にするために、その企業の株式を取得し、対価として自社の株式を提供する手法です。
完全親会社と完全子会社の関係が生じ、親会社は子会社の経営を完全にコントロールできるようになります。
2-4. 株式移転
株式移転は、新たに設立した会社が既存の会社の全ての株式を取得する手法です。
この方法は主に、持株会社(ホールディングカンパニー)を設立する際に用いられます。持株会社は、他の会社(子会社)の株式を所有することで、子会社の経営をコントロールします。
親会社は通常、子会社の株式の大部分を所有し、その子会社の意思決定や経営方針に影響を与えることができます。
株式移転により、親会社は子会社の経営を完全にコントロールできます。
3.M&Aの組織再編の実施にあたっての注意点
M&Aの組織再編を実施する際には、以下のような点に注意が必要です。
3-1. 相手企業の選定
他社との統合を行う際には、相手企業の選定が重要となります。相手企業の経営状況や事業内容、企業文化などをしっかりと把握した上で、自社の経営戦略に合致する企業を選ぶ必要があります。
3-2. 再編後の組織適応
M&A組織再編後には、新たな組織体制への適応が必要となります。これには、社員教育や組織文化の統合などが含まれます。
適切な適応策を講じることで、組織のパフォーマンスを維持・向上させることが可能となります。
3-3. 組織再編の税制面の考慮
組織再編を行う際には、税制面の影響も考慮する必要があります。
組織再編には税金がかかる場合がありますが、一定の要件を満たすことで税金の繰り延べが可能な「適格組織再編」も存在します。
3-4. 組織再編によるコストの増加
組織再編によって経営統合が行われる場合、人員確保やシステム統合などにより、コストの増加は避けられません。
また、組織再編によって会社の数が増えた場合には、人件費が増える場合もあるでしょう。
組織再編においては、それらのコストの増加について現実的な対応を取り、慎重に執り行う必要があります。
4. 組織再編の成功への鍵
M&A組織再編の成功への鍵は、以下の要素にあります。
・明確な目的設定:組織再編の目的を明確に設定し、それに基づいて適切な手法を選ぶことが重要です。
・適切なパートナー選定:組織再編を成功させるためには、適切なパートナー企業の選定が不可欠です。
・従業員の理解と協力:組織再編は、従業員の理解と協力が必要です。従業員に対する十分な説明とコミュニケーションが重要となります。
5. まとめ
M&Aの組織再編は、企業成長のための有力な手段となります。
しかし、その成功には明確な目的設定、適切なパートナー選定、従業員の理解と協力などが必要です。適切な計画と実行により、M&Aの組織再編を成功させ、企業の成長を実現しましょう。
最後に
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