2025.04.11
M&Aコラム
M&Aしやすい?中小企業がホールディングス化するメリットについて
近年、中小企業のホールディングス化が増えていると言います。半世紀にわたり禁止されていたホールディングス化ですが、中小企業のホールディングス化にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
■ホールディングス化について
まずは、ホールディングス化について詳しく見ていきましょう。
- ホールディングス化とは?
ホールディングスは、持株会社のことを指します。ホールディングス化とは、企業が一つの持株会社を設立し、複数の会社を子会社としてその下にまとめる経営形スタイルのことをです。企業は、ホールディングス化することで経営の効率化を目指し、特定の事業の不振によるリスクを分散します。ホールディングス化すると、持株会社は親会社として、傘下に入った子会社の株式を保有することに。そのため、企業全体の戦略や方針は持株会社によってコントロールされ、子会社はそれに沿って事業を展開する形になります。 - ホールディングスの種類について
ホールディングスには、純粋持株会社と事業持株会社の2種類があります。純粋持株会社とは、子会社の株式を保有し経営を統括するだけの会社です。この場合、自ら事業を行うことはありません。一方、事業持株会社は、子会社の経営を統括しながら、自社でも事業を展開します。ホールディングス化するにあたり、純粋持株会社と事業持株会社、どちらを選ぶべきかは企業の規模、事業内容、成長戦略などによって異なります。純粋持株会社が選ばれるのは、経営の効率化を重視し、各子会社に経営の自由度を与えたい場合や財務構造の改善を目的とする場合、税制上のメリットを最大限に活用したい場合などです。事業持株会社は、既存事業の強化や新規事業への参入を積極的に行いたい場合やグループ全体のシナジー効果を高めたい場合、リスク分散を図りたい場合などに選ばれます。 - グループ会社との違いは?
ホールディングス化とグループ会社は似ていますが、それぞれ組織形態や経営スタイルに違いがあります。グループ会社とは、親会社と資本関係のある子会社や関連会社などをまとめた企業の集団を指します。ホールディングスもグループ会社も企業の成長を目指して行われるものですが、ホールディングスはグループ全体の利益を考えて経営資源を提供するのに対し、グループ会社では主に各々の会社の利益を優先して企業運営を行います。
ホールディングス化は、より強い一体感と経営の効率化を求める場合に適していますが、グループ会社化は各社の独立性を保ちつつ、柔軟な連携を図りたい場合に適している点で異なると言えるでしょう。
■ホールディングス化の禁止と解禁について
かつては禁止されていたホールディングス化ですが、現在、中小企業のホールディングス化が進んでいるようです。ここでは、日本におけるホールディングス化の転換について見ていきましょう。
- ホールディングス化が禁止されていた理由
日本の戦前の経済は、三菱、三井、住友などの財閥が中心となり、多様な産業を支配していました。 しかし、第二次世界大戦後は、財閥解体など経済の民主化が進められことになります。この流れの中で、企業による市場支配や反競争的な行動を抑制し、自由な競争を促進するために、1947年に独占禁止法が制定されました。
こうして、自由な競争を阻害し、消費者に不利益をもたらす可能性があるホールディングス化は、独占禁止法に抵触する恐れがあるとして禁止されます。
- 中小企業のホールディングス化が増加中?
日本では、戦後から1997年の独占禁止法改正まで、純粋持株会社の新設が禁止されていました。しかし、グローバル化が進み、企業を取り巻く環境が大きく変化する中で、ホールディングス化が企業の成長戦略として注目されるようになります。現在、顧客のニーズはますます多様化しており、単一の製品やサービスを提供しているだけでは生き残れない、と感じている企業は少なくありません。その点、企業をホールディングス化するのは、事業環境の変化に対応し、企業の成長を加速させるための有効な手段の一つです。
■中小企業がホールディングス化するメリットは?
ホールディングス化と言えば、大企業が行うものだった時代は過ぎ去りつつあります。ここでは、中小企業がホールディングス化をするメリットとデメリットについてまとめてみました。
- M&Aをより円滑に進めるための基盤に
中小企業は、企業が抱える問題を解決するのに、M&Aを検討する場合があります。M&Aを通して競争力を強化できるほか、事業の拡大にも繋がるでしょう。ホールディングス化された企業は、各事業会社が独立しているため、M&Aを円滑に進めやすいのも一つのメリットです。また、ホールディングス化することでリスクを分散し、税制上の優遇措置を受けられる場合も。例えば、ホールディングス化することでオーナーが株式を間接的に保有すれば、株価抑制効果が得られることがあります。 - ホールディングス化のデメリットは?
ホールディングス化すると、初期費用はもちろん、持株会社と子会社、それぞれに管理・運営コストが掛かります。さらに、企業戦略において持株会社の指針に従うとはいえ、子会社間の連携も必要になるでしょう。仮に、子会社間のコミュニケーションが不足していた場合、経営に大きな影響を与える恐れがあります。
■まとめ
中小企業は、ホールディングス化することでリスク分散しながら企業の競争力を強め、将来M&Aへの扉が開きやすくなると言えるでしょう。しかし、ホールディングス化はメリットばかりではありません。中小企業がホールディングス化を検討する際には、自社の状況や目指す方向性をしっかりと把握し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
最後に
もしM&Aに関して相談の機会を希望される方はこちらの「M&A Pass」がオススメです。
↓
M&Aにおける充実したサポートを基本合意まで
無料で受けられるマッチングサイトはこちら▶️
M&A Passは、審査を通過した企業のみが掲載されている完全審査制M&Aマッチングサイトです。
全工程をオンラインのみで完結するサイトとは違い、マッチング後はファイナンシャルアドバイザーがリアルでサポート。
初めてのM&Aに不安を感じる経営者の近くで伴走します。
会員登録やサービス利用は完全無料です。
まずは情報収集の一環として、ぜひM&A Passへの会員登録をお願いいたします。
売り手の会員登録はこちら
買い手の会員登録はこちら
登録方法のサポートが必要な方はお気軽にお電話くださいませ。
M&A Passサポート窓口 0120-984-985(平日9:00〜17:30)