2024.11.25
M&Aコラム
ディスカウントTOBとは?目的とメリットについて
ディスカウントTOBとは?目的とメリットについて
M&Aの手法の一つであるTOB(株式公開買付け)。主に、経営権の獲得を目的に行われるTOBですが、その特殊な型にディスカウントTOBと呼ばれる手法があります。今回は、M&AにおけるディスカウントTOBの目的とメリットについてご紹介します。
■ディスカウントTOBとは?
通常のTOBとは異なるディスカウントTOBですが、一体どのような点で異なるのでしょうか。
・買付価格が通常のTOBとは異なる
TOBには、友好的TOBと同意なきTOB(敵対的TOB)があります。通常のTOBの流れとしては、TOBを行う側である公開買付者が、TOB対象企業の株式を保有する株主に対して買付価格を公表します。TOB時に提示されるこの買付価格は、市場価格よりも高く設定されているのが一般的です。買付価格を高く設定することにより、大量の株式を集めて経営権を獲得することが目的となっています。ところが、ディスカウントTOBは、株式の市場価格よりも安い買付価格で株式を買付けることを意味します。
・ディスカウントTOBは大株主に対するもの
通常のTOBでは、株式の買付価格が市場価格より高く設定されているため、株主が得をします。しかし、買付価格が市場価格より安く設定されているディスカウントTOBでは、株主に大きな利益はありません。このことから、ディスカウントTOBは、公開買付者と株主が事前交渉した場合にのみ行われます。通常のTOBでは、多数の一般株主が対象となりますが、ディスカウントTOBでは大量の株式を保有している大株主が対象です。ディスカウントTOBでは、公開買付者は、特定の大株主から双方同意で決定した量の株式だけを買付けることになります。
■ディスカウントTOBの目的は?
ディスカウントTOBは、どのような目的で行われるのでしょうか。
・ディスカウントTOBが用いられる時
ディスカウントTOBには、自社株式を大株主から買い戻すことを目的にしたもの、事業再編や資金確保を目的にしたものなどがあります。ディスカウントTOBで自己株公開買付けをするのは、同意なきTOBに対抗するためであったり、配当金の節約などであったりという点が理由として挙げられるでしょう。また、大株主が株式を売却して確実に資金を確保したい際に、市場で売却して株価の低下を招かないようディスカウントTOBに応じる場合があります。
・ディスカウントTOBのメリット
通常のTOBでは株主が得をしますが、ディスカウントTOBでは買収側である公開買付者が得をします。そのため、ディスカウントTOBに応じる大株主には、一切のメリットがないように思えるかもしれません。しかし、ディスカウントTOBは、同じグループの企業や関連企業の間で行われるものです。買収企業と被買収企業が最初から友好関係にある間柄なので、買付価格が安く設定されていたとしても問題はありません。一般的に、ディスカウントTOBを行うことにより、大量の売り注文で株価が下落してしまう、マーケットインパクトを避けることが可能です。また、通常のTOBの場合には、完全子会社化や上場廃止を目的に行われるケースもあります。しかしながら、ディスカウントTOBでは一般株主が株を保有したままになるため、上場廃止にならず、市場で株式を流通させることが可能です。
■まとめ
通常のTOBは、多数の一般株主に対して行われるものです。一方、ディスカウントTOBは、買い手側である公開買付者と特定の大株主が事前に価格協議を行い、市場価格よりも安く設定された買付価格で取引きされます。ディスカウントTOBは、事業再編や資金確保をはじめ、同意なきTOBへの対抗策として行われるものです。M&Aの手法選びに悩むことがあるかもしれませんが、ディスカウントTOBの目的とメリットをよく知ることで、自社にふさわしいM&Aの手法を選ぶ助けになるでしょう。
最後に
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